防犯カメラと監視カメラの違いとは?企業向け導入事例とAI活用をわかりやすく解説

「防犯カメラ」と「監視カメラ」。似たように聞こえますが、実は導入目的や使用シーンによって呼び分けられていることをご存じでしょうか? 

特に企業にとっては、社内や施設の安全対策や業務効率化、犯罪抑止、トラブルの可視化といった用途の違いに応じて、適切な防犯カメラや監視カメラを選定することが重要です。

本記事では、法人向けに防犯カメラと監視カメラの違いを整理し、AIを活用した最新のセキュリティシステムや導入事例などをご紹介します。

目次

1. 防犯カメラと監視カメラの違いとは?

一般的な定義

防犯カメラと監視カメラは、どちらも映像を記録するという基本的な機能は共通していますが、一般的には使用目的に応じて呼び方が使い分けられています

防犯カメラは、主に犯罪の抑止を目的として設置され、建物の入口付近や人目につく場所に設置されることが一般的です。

一方、監視カメラは、業務中の行動確認や業務効率の向上、内部不正の防止など、監視そのものを目的として使用されるケースが多く、工場や屋内の目立たない場所などにも設置されます。

法的・技術的な違い

実は、防犯カメラと監視カメラの間に明確な法律上の定義や技術的な違いはありません。呼称の違いはあくまでも使用目的や設置意図によるものであり、カメラの機能や性能そのものに大きな違いがあるわけではありません。ただし、システムの運用方法によってはプライバシー保護などの法的配慮が必要となるため、設置目的を明確にしておくことが重要です。

イメージや利用目的の違い

防犯カメラは「抑止」のために、あえて目立つように設置されることが多く、犯罪者への心理的な圧力として機能します。これに対し、監視カメラは「監視・管理」が目的であり、対象者に意識させない設置が行われることもあります。セキュリティにおいては、この「見せるカメラ」と「見せないカメラ」の違いが、目的に応じた効果を発揮するポイントのひとつになります。

補足:防犯カメラと監視カメラ違いまとめ

項目防犯カメラ監視カメラ
主な目的犯罪抑止業務管理・監視
設置場所入口、屋外、駐車場オフィス、工場、作業エリア
視認性あえて目立つように設置目立たない場所に設置される場合もある
主な用途侵入防止、盗難対策業務確認、安全管理
AI活用不審者検知など行動分析、異常検知

2. 一般的な防犯カメラ・監視カメラの種類

監視カメラ・防犯カメラのの種類(例)

アナログカメラ(CCTV)

アナログカメラ(CCTV)は、従来から広く利用されてきた監視カメラの方式で、同軸ケーブルを使って映像信号を録画装置へ伝送します。

一般的に解像度は約38万画素程度とされており、現在の高解像度カメラと比較すると画質はやや粗いものの、構造がシンプルで導入コストを抑えやすい点が特徴です。既存の配線設備を活用しながら導入できるケースも多く、小規模な施設や簡易的な監視用途で現在も利用されています。

アナログハイビジョン(AHD)

アナログハイビジョン(AHD)は、従来のアナログ配線を活かしながら高解像度映像を伝送できるカメラ方式です。

200万画素(フルHD)から500万画素程度までの高画質に対応しており、既存の同軸ケーブル環境を活用しながらシステムをアップグレードできる点が大きなメリットです。アナログカメラに比べて映像の鮮明度が高く、人物の識別や状況確認がしやすいため、工場や店舗、倉庫などの監視用途で広く採用されています。

ネットワークカメラ

ネットワークカメラは、インターネットを介して映像を送信することで、リアルタイムでの遠隔監視が可能です。これにより、オフィスや現場から離れていても、スマートフォンやPCを使って映像を確認できるため、非常に便利です。

また、クラウド上にデータを保存することで、長期間の映像管理や分析が容易になります。さらに、AI機能と連携することで動体検知や音声検知などが利用でき、異常が発生した際にはアラートを受け取ることができるため、リアルタイム性が重視されたセキュリティ対策には役立ちます。

AIカメラ

AIカメラは、AI(人工知能技術)を活用して映像解析を行う高機能なカメラです。製品によっては顔認証や人・モノ・動物などの動きを識別する機能を備えており、従来のカメラでは難しかった高度な監視を実現します。

例えば、不審者の検出や特定の行動・異常パターンの検知が可能で、リアルタイムでの対応が求められる場面で特に効果を発揮します。

また、AIによる自動分析によって、膨大な映像データから必要な情報を抽出することができ、効率的な監視体制の構築に貢献します。AIを搭載したカメラは、セキュリティだけでなく、業務効率化、顧客行動の解析やマーケティングへの活用も期待されています。

PTZカメラ

PTZカメラは、パン(左右回転)、チルト(上下回転)、ズームの機能を備えたカメラで、広範囲の監視を可能にします。これにより、固定カメラではカバーしきれない広い場所や特定のポイントを詳細に監視することができます。例えば、駐車場や広場、工場内などの広範囲をカバーする必要がある場所で効果的です。リモート操作によってカメラの向きやズームを調整できるため、迅速な対応が求められる状況でも柔軟に対応可能です。また、AI技術と組み合わせることで、動体追尾機能を強化し、特定のターゲットを自動で追尾することもできます。

赤外線(IR)カメラ

赤外線カメラは、周囲の明るさに応じて自動的に撮影モードを調整し、暗所でも映像を記録できる機能を備えています。 夜間や光量の少ない場所での監視に適しており、赤外線LEDを使用して暗い環境での撮影を補助します。(ただし、赤外線LEDは暗所撮影を補助するものであり、 周囲環境や照度条件によって映像品質は変化します。)

このため、夜間の侵入や不審な動きを検知する用途で広く利用されており、24時間体制のセキュリティを支えるカメラとして活用されています。このタイプのカメラは、店舗や施設の外部、駐車場などで特に有効です。

サーマルカメラ(熱検知カメラ)

サーマルカメラは、物体や人体から放射される赤外線(熱)を検知し、その温度分布を映像として表示するカメラです。通常の監視カメラのように可視光に依存せず、暗闇や霧、煙などの視界が悪い環境でも対象を検知できる点が特徴です。

防犯用途では、夜間の侵入者検知や広範囲の屋外監視などに活用されることが多く、工場や重要施設、空港、インフラ設備などで導入されています。また、設備点検や温度異常の検知、動物検知など、設備管理や安全管理の分野でも利用されることがあり、火災の予兆検知や機器の異常発熱の発見などにも役立ちます。

このようにサーマルカメラは、通常の映像監視カメラでは把握しにくい「温度情報」を可視化できるため、防犯だけでなく安全管理や設備保全の分野でも重要な役割を担っています。

各カメラの特性を理解し、自社や自店舗のニーズに最適な種類やタイプを選ぶことで、より効果的な防犯・監視システムを構築することが可能になります。

3. 防犯カメラ・監視カメラを導入するメリット・デメリット

防犯・監視カメラの導入は、セキュリティ強化において非常に有効な手段ですが、メリットとデメリットを理解した上での選択が重要です。

まず、メリットとして挙げられるのは、犯罪の抑止効果です。カメラが設置されているという事実自体が犯罪者に対する抑止効果を発揮し、店舗やオフィスなどの安全性を高めます。また、工場の生産ラインなどで監視カメラを導入する場合は、機器やシステム、人の行動の異常検知や解析を効率化・自動化できます。万一の事件・事故発生時には、記録された映像が証拠として活用でき、迅速な問題解決に寄与します。

一方で、デメリットも存在します。まず、設置や運用にかかるコストが課題となることがあります。特に高性能なカメラやシステムを導入する場合、その初期費用だけでなく、メンテナンス費用や運用にかかる人件費も考慮する必要があります。また、プライバシーに関する問題も重要です。例えば、場所によってはカメラが設置されていることを周知し、適切なプライバシー配慮を行わなければ、顧客や従業員からの不満を招く可能性があります。さらに、法律に基づく適切な運用も求められ、録音機能の有無や映像の保存期間などについても法的な基準を満たす必要があります。

黒-白-シンプル-警備強化中-防犯カメラ-作動中

4. 【場所・用途別】企業の防犯カメラ・監視カメラの導入事例

4-1. 場所:物流倉庫、用途:事故防止・盗難対策・運営効率化

物流倉庫では、安全対策と盗難防止の両方の目的で防犯カメラや監視カメラが活用されることがあります。

特に、出入口、荷捌き場などに設置することで、不審者の侵入を抑止しつつ、万一の際の証拠映像としても機能します。また、バース管理の効率化やフォークリフト(※)・人検知など、作業中の事故防止にも貢献し、映像を使った安全指導にも活用できます。

※フォークリフト作業:工場、倉庫、配送センターなどの現場において、フォークリフトと呼ばれる特殊車両を使用して、重い物体や大量の貨物の運搬、積み込み、積み下ろし、整理整頓を行うことを指します。

4-2. 場所:小売店舗、用途:万引き抑止と行動分析

小売店舗では、防犯カメラを使って万引きの抑止に取り組むケースが一般的です。

また近年では、個人情報を取得しないAIセンサーカメラを活用し、マーケティング目的でAIセンサー機能を搭載したカメラの導入も広がっています。

日々の入店動向(人数カウント)から店舗の活性度を把握したり、顧客属性や入店率を分析することで販売戦略の最適化を図ることが可能です。さらに、店内の動線データをもとに商品陳列や売り場レイアウトの改善といった施策にも活用されています。

また、弊社が提供している米国RetailNext社のAI搭載IoTセンサー「Aurora(オーロラ)」に備わっているアセットプロテクション(※)機能を活用することで、レジにおける店舗スタッフの不正行為の防止にも役立ちます。

(※)RetailNextのアセットプロテクション:
AIベースでの異常値報告システムを活用し、不正出金などの従業員の行為を検知・通知します。例えば、店頭のレジにおいて顧客が不在時または顧客が料金を支払っていないのに出金があるなどの疑わしいPOS取引に焦点を当て、迅速に管理者に通知します。

関連ページ:

5. AI技術の進化で変わる防犯・監視の境界線

顔認証/車両ナンバー認識/行動検知

AIの進化に伴い、防犯カメラや監視カメラに搭載される機能も大きく変わってきました。AI顔認証技術により、特定人物の検出や入退室の自動管理が可能となり、セキュリティレベルの向上にもつながっています。行動検知機能では、不審な動作やエリア侵入などを自動で検知し、リアルタイムでアラートを発報することも可能です。また車両検知やLPR(License Plate Recognition、ナンバープレート認識)によって、駐車場の効率的な出入り管理や不正利用防止が実現しています。

アラート通知・自動録画・クラウド保存などの付加機能

従来の録画型カメラに加え、現在ではリアルタイムで異常を検知してアラートを出す機能や、自動録画開始機能、クラウドに自動保存して遠隔で映像を確認できるシステムなどが一般的になっています。

ただし、クラウド対応の防犯カメラであっても、停電時には電源供給が停止するため通常はリアルタイム映像の確認ができません。

そのため、ソーラー型やバッテリー搭載型カメラ、またはUPS(無停電電源装置)を併用することで、停電時でも一定時間カメラや録画装置を稼働させる運用が可能になります。

重要なエリアでは、こうした電源バックアップと独立した録画システムを組み合わせることで、停電などの障害発生時でも電源供給が続く時間内であれば映像の確認や記録を継続することが可能です。

「記録」から「予測・防止」へ。進化するAI監視の役割

AIを活用することで、防犯カメラや監視カメラの役割は単なる記録装置から、犯罪や事故の予測と未然防止を担うソリューションへと進化しています。例えば、異常検知アルゴリズムによって通常とは異なるパターンを識別することでリスクを事前に把握できるようになれば、問題が起きてからの対処ではなく、“未然に防ぐセキュリティ体制”を構築することが可能になります。

6. 自社に最適なカメラの選び方と気を付けるべきポイント

防犯カメラ・監視カメラの設置目的を明確に

導入前に最も重要なのは「何を目的としてカメラを設置するのか」を明確にすることです。屋外の防犯目的なのか、業務の監視目的なのかによって、カメラの設置場所や必要な機能が変わってきます。設置の目的が曖昧なまま導入すると、期待する効果が得られない可能性も出てきます。

運用体制(リアルタイム監視 or 記録重視)

防犯カメラや監視カメラの運用方法としては、大きく分けてリアルタイム監視と記録重視の2パターンがあります。どちらが適しているかは、導入目的、業種や規模、管理体制などによって異なります。

リアルタイム型は即時対応が求められる場面や、人間の目の代わりに監視が必要な場所で有効であり、離れた場所や外出先でもアラート通知機能を使えば、即座に声掛け・対応できる点がメリットです。

記録型は、後追い検証や証拠確保に強みがあります。例えば、犯行の状況、犯人特定、機械やセンサー異常など、トラブル解決につながる客観的な記録を継続して取得する必要がある際などに有効です。

法的な注意点(録音・表示義務・プライバシー配慮など)

防犯カメラや監視カメラの設置には、プライバシー保護の観点から法的な注意点も存在します。

防犯目的でカメラを設置する場合、一般的に民間施設では一律の表示義務はありません。しかし、プライバシーへの配慮から告知を行うことが望ましいでしょう。

また、目的や条件によっては、設置していることの掲示が義務づけられるケースがあります。例えば、自治体が補助金を利用して公道や街中などに防犯カメラを設置する場合、「防犯カメラ作動中」といった表示のガイドラインが設けられている場合があるため、事前に確認が必要です。

さらに、カメラで撮影した映像をマーケティングや顧客分析など、防犯・監視以外の目的に利用する場合は、個人情報保護法に基づき、利用目的を明示し、本人に通知または公表する義務が生じます。録画データの取り扱いにも注意が必要で、第三者への安易な共有は避け、厳重に管理する必要があります。特に、顔認証データなどを利用する場合は、個人情報としての適切な取り扱いが求められます。

このように、従業員や来訪者、顧客、住人など、各人への配慮も含め、導入時には法令順守を徹底する必要があります。

参考資料:

防犯カメラ設置

7. まとめ:目的の違いを理解し最適な防犯カメラ・監視カメラの選定を

本稿では、防犯カメラと監視カメラの違いについて述べ、AI時代の企業向けセキュリティ活用について紹介しました。

防犯カメラと監視カメラは、見た目や機能が似ていても、その運用目的によって使い方や設置方法に違いがあります。だからこそ、この「違い」を正しく理解し、自社の課題や目的にあわせて選択することが、導入に失敗しないための第一歩です。

防犯カメラや監視カメラの導入では、「どのカメラを選べばよいのか」「AI機能は本当に必要なのか」「自社の業種に合った設置方法が分からない」といったお悩みを持つ企業様も少なくありません。

HUBULLET(ハブレット)では、企業の課題や施設環境をヒアリングしたうえで、最適なカメラ機種・AI解析システム・設置方法をご提案しています。防犯カメラ・監視カメラの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

8. 防犯カメラ・監視カメラ設置はHUBULLETへ|AI導入・全国対応OK

防犯カメラや監視カメラの導入を検討されている、また自社に最適な機種やシステムの選び方がわからない企業様・経営者の方は、HUBULLETにご相談ください。AI対応の最新システム、顔認証機能、クラウド連携型のネットワークカメラまで、幅広いラインナップをご用意しています。全国対応・スピーディな設計施工・豊富な導入支援により、施設の規模や業種に応じた最適なセキュリティ環境を構築いたします。

FAQ – よくある質問 –

Q1. 防犯カメラと監視カメラは具体的にどう違う? 選び方のコツは?

A. 基本的な機能は似ていますが、防犯カメラは主に「犯罪を未然に防ぐ目的」で設置されるのに対し、監視カメラは守るべき対象があり「人や作業の様子を継続的に記録・管理する」目的が強いです。設置場所や環境、業種によっても、最適なカメラの選定は異なってきます。

Q2. AIを活用した防犯カメラ・監視カメラにはどんな機能があるの?

A. 顔認証車両検知・ナンバープレート認識、人物追跡、エリア侵入検知、異常行動の自動検知などがあります。AIにより「予測・抑止」まで可能になっており、従来のカメラよりも精度の高いセキュリティ運用が実現できます。

Q3. 防犯カメラ・監視カメラの設置に法的な注意点はあるか?

A. はい。録音機能の有無や、設置場所でのプライバシー配慮(トイレ・更衣室等を避ける)、設置の明示(「録画中」「カメラ作動中」等の表示)など、法令上の配慮が必要です。設置前に必ず専門業者や各自治体の窓口など、各関係部署にご相談・ご報告することをおすすめします。

Q4. 防犯カメラ・監視カメラの導入コストはどのくらいかかる?

A. カメラの種類・台数・録画装置・クラウド運用の有無など、導入規模や環境、目的により異なります。一般的には、工事を伴う小規模な屋内設置であれば数十万円〜、大型施設やAI搭載の監視システムでは数百万円〜が目安です。ご希望・ご要望にあわせて最適なご提案をさせていただきますので、お問い合わせください。

Q5. HUBULLETではどのようなセキュリティ機器・システムを提供しているの?

A. HUBULLETでは、AI映像解析工場向けAI解析を中心に、AI解析対応の監視カメラ・防犯カメラ、顔認証システム車両検知、ナンバープレート認識、物体検知ソリューション、エッジAIシステム、クラウド録画装置などを取り扱っています。企業様の目的に応じた最適なご提案・システム設計・機器設置・PoC・本導入・運用支援・保守までトータルで対応します。