防爆カメラとは?メーカー・価格・耐圧規格から選び方まで徹底解説【2026年最新版】

防爆カメラとは?メーカー・価格・耐圧規格から選び方まで徹底解説【2026年最新版】

防爆カメラは、石油・化学・製鉄・食品工場など、爆発性ガスや可燃性粉塵が発生する危険エリアで安全に映像監視を行うために欠かせない設備です。しかし、カメラの選定時には耐圧防爆構造や対応規格、設置できる危険場所(Zone)、ネットワーク接続の有無など確認すべきポイントが多く、「どのカメラを選べばよいかわからない」という担当者も少なくありません。

防爆カメラは一般的な監視カメラとは異なり、設置環境に適した防爆性能や規格を満たす必要があります。そのため、危険場所の分類や用途に応じた機種選定が重要です。

本記事では、防爆カメラの基本知識から規格、メーカーごとの特徴、価格の考え方まで分かりやすく解説します。

さらに、設計・施工・ネットワーク構築・保守までワンストップで対応するHUBULLETの防爆カメラソリューションについてもご紹介します。

目次

1. 防爆カメラとは?監視設備に必要な耐圧構造とは

防爆カメラとは、爆発性ガスや可燃性蒸気、可燃性粉塵などが存在する危険場所で安全に使用できるよう設計された監視カメラです。

「防爆」という言葉から「爆発しても壊れないカメラ」と思われることがありますが、実際には、爆発を誘発させない構造を備えていることが特徴です。

万が一、機器内部で火花や発火が発生した場合でも、その火炎が外部へ漏れ出さず、周囲の爆発性雰囲気(可燃性ガスや蒸気、粉塵など)へ引火しないよう設計されています。

防爆カメラが必要になる現場

防爆カメラは、次のような危険場所で導入されています。

  • 石油・石油化学プラント
  • 化学工場
  • 製鉄所
  • 発電所
  • ガス関連施設
  • 食品工場(製粉設備)
  • 塗装工場
  • 水素関連設備
  • 医薬品工場

これらの現場では、安全管理に加え、設備監視や遠隔確認、品質管理、防犯対策など、さまざまな用途で活用されています。

耐圧防爆(Ex d)について

防爆構造には複数の種類がありますが、監視カメラでは耐圧防爆(Ex d)が広く採用されています。耐圧防爆構造は、万一カメラ内部で爆発が発生しても、その爆発をケース内部に閉じ込め、外部への引火を防ぐ構造です。

設置場所の危険度や対象設備によって適切な防爆構造は異なるため、導入時には十分な確認が必要です。

一般的な監視カメラとの違い

一般的な監視カメラは、防水・防塵性能(IP規格)を備えているものでも、防爆性能を備えていません。

そのため、爆発性ガスが存在する危険場所では使用できず、防爆認証を取得した専用の防爆カメラを選定する必要があります。

2. 防爆カメラが必要な工場・プラントのケース

防爆カメラは、爆発の危険がある現場において、安全性と業務効率を向上させるために活用されています。

危険場所では、労働安全衛生法や関連する安全基準に基づき、設置する電気機器には適切な防爆性能が求められます。防爆カメラも、各業界において設置環境に応じた防爆仕様を選定する必要があります。

石油・化学プラント

可燃性ガスや揮発性液体を取り扱う石油・化学プラントでは、設備監視や保守点検、異常監視のために防爆カメラが導入されています。

製粉・食品工場

小麦粉や砂糖、大豆粉などの可燃性粉塵が舞う環境では、わずかな電気火花や静電気の発生が粉塵爆発を引き起こす危険があります。防爆カメラを設置することで、安全に設備監視を行えます。

塗装設備

塗装設備や有機溶剤が使用される塗装ブース内では、可燃性蒸気が発生します。引火による火災や爆発を防止するため、耐圧防爆型や安全増型防爆型など、環境に応じた防爆仕様の電気機器や監視機器の使用が求められます。

水素設備

近年増加している水素製造設備や燃料電池関連施設でも、防爆カメラの導入が急速に拡大しています。水素は、防爆規格上「IIC」に分類される非常に危険性の高い可燃性ガスで、ごくわずかな火花や熱でも引火する可能性があるため、防爆カメラによる高度な安全対策が不可欠です。

3. 防爆カメラの規格・仕様・Zone分類を理解する

防爆カメラを選定する際は、メーカーや機能だけでなく、防爆規格や設置環境との適合性を確認する必要があります。

IECEx(国際規格)・ATEX(欧州規格)・JPEx(国内規格)

代表的な防爆規格には、以下があります。

  • IECEx(国際規格)
  • ATEX(欧州規格)
  • 防爆構造電気機械器具に係る型式検定(JPEx)(国内規格)

※海外製のIECExまたはATEX認証製品を日本国内で使用する場合は、日本の労働安全衛生法に基づき、日本の登録型式検定機関による型式検定合格証(JPEx)を取得する必要があります。ECExやATEXの認証を取得している製品であっても、そのまま日本国内で使用できるわけではありません。なお、登録型式検定機関によっては、IECEx認証の試験報告書(ExTR)を活用して日本の型式検定を実施できる場合もあります。

Zone0・Zone1・Zone2

危険場所は、爆発性雰囲気が発生する可能性によって分類されます。

  • Zone0:可燃性ガスが常時または長時間・頻繁に存在する場所
  • Zone1:通常運転時に可燃性ガスが時々発生する可能性のある場所
  • Zone2:故障や異常時に可燃性ガスが発生する可能性があるが、短時間である場所

設置場所に応じたZone対応製品を選ぶことが、安全な運用につながります。

防爆カメラのZone分類

防爆仕様の読み方

製品仕様には、例えば「Ex d IIC T6 Gb」のような表記があります。

この表記には、

  • Ex :国際規格(IEC)および日本工業規格(JIS)に合格
  • d:防爆構造
  • IIC:爆発グループ ※IICは水素などを含む危険なガス
  • T6:温度等級 ※T6は最高表面温度85℃以下
  • Gb:機器保護レベル ※GbはZone1およびZone2の危険場所で使用可

などが示されており、設置環境との適合性を判断する重要な指標です。

4. 防爆カメラのメーカー・製品を一部ご紹介

現在、防爆カメラは国内外のさまざまなメーカーから販売されています。それぞれ得意分野や特徴が異なるため、用途や設置環境に合わせて選定することが重要です。

キヤノンもおすすめする、AXISの防爆カメラ

AXIS Communicationsは、ネットワークカメラのリーディングメーカーとして世界中で採用されており、防爆カメラのラインアップも充実しています。

*AXIS P1468-XLE 防爆バレットカメラ Zone/Division2対応 イメージ動画(出典:AXIS)

AXIS P1468-XLE Explosion-Protected Bullet Camera - certified for Zone/Division 2

代表機種の1つでもあるAXIS P1468-XLEは、Zone2向けに設計された世界初の防爆バレットカメラです。4K高画質やPoE給電、優れた低照度性能を備えており、製油所や化学工場などの広範囲な設備監視に適しています。

参考資料:防爆カメラとは?防爆監視カメラが必要な場所と2つのおすすめカメラ|キヤノン株式会社

オリエントブレイン(Orient Brains)の防爆カメラ

オリエントブレイン株式会社(Orient Brains)は、防爆カメラをはじめとした防爆機器を数多く開発・製造している国内メーカーです。

耐圧防爆構造に対応したネットワークカメラやドームカメラ、サーモカメラなど幅広いラインアップを開発・製造しており、石油・化学プラント、製鉄所、食品工場など多くの現場で採用されています。

同社の代表的な製品の一つ耐圧防爆ネットワークカメラ「XD-500IP」は、PoE給電に対応した固定型ネットワークカメラです。LANケーブル1本でデータ(映像)伝送・給電が可能なため、配線をシンプルに構築できます。

耐圧防爆ネットワークカメラ XD-500IP|オリエントブレイン(Orient Brains)

また、耐圧防爆ドーム型ネットワークカメラ「RC-360シリーズ」は、PTZ機能を搭載し広いエリアを1台で監視できるため、設置台数の削減につながります。広大なプラント設備やタンクヤードなども少ない台数で効率的に監視できます。

耐圧防爆ドーム型ネットワークカメラ|オリエントブレイン(Orient Brains)

参考資料:

耐圧防爆ネットワークカメラ XD-500IP|オリエントブレイン株式会社
耐圧防爆ドーム型ネットワークカメラ RC-360シリーズ|オリエントブレイン株式会社
防爆カメラとは?選び方や使用用途、おすすめの製品を紹介|オリエントブレイン株式会社

宮木電機製作所の防爆カメラ

宮木電機製作所は、日本国内で長年にわたり防爆機器を開発してきたメーカーです。

ネットワークPTZカメラ「NWEX-CM3Ha」定点監視用「NWEX-CM4Ha」などを展開しており、どちらの防爆カメラも水素ガスを含むZone1・Zone2対応で、PoE給電や同軸ケーブルによるネットワーク構築が可能です。

NWEX-CM3Ha 多機能PTZ形ネットワークカメラ
2メガピクセル対応のPTZモデルで、広範囲の遠隔監視に適した防爆ネットワークカメラです。防爆構造「ExdⅡB+H2 T4」を採用しています。

NWEX-CM3Ha|宮木電機製作所

NWEX-CM4Ha 多機能定点形ネットワークカメラ
2メガピクセル対応・光学21倍ズームを搭載した定点監視向けの防爆ネットワークカメラです。防爆構造「ExdⅡB+H2 T4」を採用しています。

NWEX-CM4Ha|宮木電機製作所

同社は、現場ごとの仕様に合わせたカスタマイズにも対応しています。国内メーカーならではのサポート体制も大きな魅力です。

参考資料:

NWEX-CM3Ha 多機能PTZ形ネットワークカメラ仕様書(PDF)|株式会社宮木電機製作所
NWEX-CM4Ha 多機能定点形ネットワークカメラ(PDF)|株式会社宮木電機製作所
主な防爆製品 NWEXシリーズ|株式会社宮木電機製作所

このほかにも国内外には多くのメーカーが防爆カメラを提供しており、それぞれ対応規格や耐圧性能、ネットワーク機能、AI対応機能などに違いがあります。

HUBULLETでは、AXIS、宮木電機製作所、オリエントブレインをはじめ、その他多数のメーカー製品も取り扱っており、お客様の設備環境やご要望、ご予算に応じて最適な機種をご提案しています。

5. 防爆カメラの型・モデルの比較/選び方

防爆カメラにはさまざまな型・モデルがあり、設置場所や用途によって最適な機種は異なります。

固定型

固定型は、一定方向を継続して監視する用途に適しています。設備や配管、バルブ、製造ラインなど常時確認したいポイントが決まっている場合に多く採用され、比較的コストを抑えながら高画質な監視を実現できます。

PTZ

PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラは、遠隔操作でカメラの向きやズーム倍率を変更できます。広大な工場やタンクヤード、屋外設備などを少ない台数で監視できるため、設備点検や巡回監視にも適しています

小型モデル

設置スペースが限られる設備や装置には、小型タイプの防爆カメラが有効です。最近では小型化が進みながらも高画質・PoE対応など十分な性能を備えた製品も増えており、狭い場所への設置もしやすくなっています。

サーモカメラ

サーモカメラは、物体から放射させる赤外線を検出して温度分布を可視化できるため、通常の映像では確認できない設備異常を早期に発見できます。

モーターや配管、タンクなどの温度監視だけでなく、火災予兆の検知や設備保全にも活用されており、近年導入が進んでいます。

6. ネットワーク・無線対応の防爆カメラ

近年の防爆カメラは、ネットワークカメラ(IPカメラ)が主流となっています。

PoE対応のメリット

PoE対応モデルでは、LANケーブル1本で通信と給電を行えるため、施工性が向上し、配線コストの削減にもつながります。

高画質な映像監視やAI解析に対応

ネットワーク対応の防爆カメラは、高画質映像のリアルタイム監視や録画、AI解析との連携など、多くのメリットがあります。また、複数拠点の映像を一元管理できるため、大規模な工場や複数の工場を運営する企業にも適しています。

Webからの遠隔監視・点検

ネットワーク環境を構築することで、PCやタブレット、スマートフォンのWebブラウザから映像を確認することも可能です。異常発生時の迅速な状況確認や、保守担当者による遠隔点検など、業務効率の向上にもつながります。

無線化の注意点

危険エリアでは、無線通信機器の設置にも注意が必要です。防爆エリアでは、無線アクセスポイントや通信機器にも防爆対応が求められる場合があり、単純にWi-Fi機器を設置できるわけではありません。そのため、無線化を検討する際には、防爆対応機器の選定や通信方式を含めたシステム設計が必要です。

7. 防爆カメラの費用目安と導入時の注意点

防爆カメラは特殊なハウジングや設計が求められるため、一般的な監視カメラよりも高価になる傾向があります。

価格目安

カメラ本体(1台):
約50万円~200万円以上

工事費・周辺機器
約50万円〜100万円以上

価格に影響を与える要因

価格は以下のような要素によって変わります。

  • 対応Zone(危険場所の分類)
  • 防爆規格
  • 解像度
  • PTZ機能の有無
  • サーモ(熱検知)機能
  • AI解析機能(※)
  • 耐環境性能

 ※侵入検知・機械異常検知・作業員の行動検知など、内容により費用が異なる

初期導入費(設置工事費)

導入時には機器代だけでなく、

  • 現場調査
  • 設計
  • 配線工事
  • ネットワーク工事
  • 設定・試運転

なども必要になります。

危険場所での施工には専門知識が求められるため、防爆設備の施工実績がある会社へ依頼することをおすすめします。

保守費(運用費)

長期間安定して運用するためには、定期点検や清掃、ソフトウェア更新などの保守も欠かせません。万が一の故障時にも迅速に対応できる保守体制があるかどうかも検討の材料に加え、施工会社の選定をすると安心です。

8. HUBULLETが提供する防爆カメラ監視システム

現場調査からメーカー選定・設計・施工・保守まで対応

HUBULLETでは、防爆カメラの販売だけでなく、現場調査・設計・施工・運用・保守まで、全国対応・ワンストップで対応しています。

設置場所のZone区分や設備環境を確認し、国内外の複数メーカーから最適な防爆カメラや防爆周辺機器をご提案します。

高所・危険エリアなどへの対応

高所や危険区域での設置工事にも対応し、安全管理を徹底した施工を実施します。

AI監視システムとの連携

AI映像解析やネットワーク構築を組み合わせたシステム提案も行っており、工場やインフラ施設のDXを支援しています。

防爆カメラとAI画像解析を組み合わせることで、以下のような映像を活用した高度な設備監視システムの構築も可能です。

  • 危険エリア侵入検知
  • 一人作業検知
  • 生産ライン監視
  • メーター自動読み取り
  • 異常検知

ネットワーク構築も全国対応・ワンストップ

HUBULLETは、監視カメラ工事やネットワーク構築、AIシステム導入まで全国対応しています。

機器選定だけでなく、現場調査・設計・施工・運用・保守まで一括してサポートできるため、長期の運用を見据えてカメラを導入したい企業様も安心して導入いただけます。

9. 防爆カメラ・機器導入に関するお問い合わせ

防爆カメラは、設置場所の危険区分(Zone)や防爆規格、用途に応じた適切な機種選定が必要です。また、万が一の爆発事故を防ぎ、プラントや工場の安全を守るためには、施工方法やネットワーク設計を含めたトータルなシステム構築が求められます。

HUBULLETでは、国内外のさまざまな防爆カメラメーカーを取り扱い、お客様の現場環境や運用目的に合わせた最適なシステムをご提案しています。

「自社にはどの防爆カメラが適しているのか分からない」「まずは概算費用を知りたい」といったご相談段階でも問題ありません。

防爆カメラの導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。